ひとつのエレガンス

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「たとえばパーティーに人を招待するとしたら、その家のマダムは招待客よりも目立たないこと……それは、服装も、振る舞いや態度も含めてね……そう、態度は大切。対応も、友情も……どれもエレガンスの要素よ。振る舞いはシンプルな、無駄のない動き方が美しい、なんて私が説明しなくとも日本には茶道があるからおわかりでしょう?」「テーブルセッティングならば、リネンやシルバー、クリスタルといった素材のチョイスは大切で、料理もプレゼンテーションを重視したいものです」「エレガンスはモラル。エレガンスは人の長所、その人の素晴らしいところ。エレガンスはナチュラルであること。エレガンスは知的な資質」――彼女が発した簡潔な表現を寄せ集めるとそれらは互いに少しずつ重なり合ってやっとひとつのエレガンスというニュアンスを醸し出してくるように思える。シンプル、ナチュラル、モラル、知的資質……それって、「在り方」そのものじゃない?ううむ。なかなか手強いぞ、これは。言葉は国や人の歴史だものれ。さらに、それだけじゃなくて自分で培う要素が重ね合わさって、その人の風景、つまり「在り方」が見えてくる。その人がそこにいるだけで、どうってことない部屋や家具までもエレガントに見えることって、確かにある。

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